人と打ち解けるのが苦手です。誰とでも仲良くなれる人がいますが、そういう人達は何が違うのでしょうか。どういう話をすればそうなれるのでしょうか。何かコツがあれば教えてください。

誰か打ち解けたい相手がいるのであれば、その人の「口癖」を使うと良いです。

 

『打ち解けたい相手の口癖』を、その本人に対してこちらが使うのです。

 誰にでも「この人、よくこの言葉を使うな」とか「この表現好きやな」ってものがありますよね。

口癖と言うものは、その人が普段から使い慣れていて、馴染みがあって、その言葉が持っている意味だったり、ニュアンスも完全に理解している。もはやその人にとっての自分の表現の一部。わざわざ理解するために脳を働かせる必要がない。つまり認知負荷を感じない、とても易しい言葉なのです。

そういった言葉をこちらが使ってあげることによって、話が伝わりやすくなるんですよ。

例えば、本を読んでいて、自分に馴染みのない単語や、理解が難しい言い回しばかりが多いと頭に入ってこないですよね。特に外国語の文章などは理解が難しいじゃないですか。しかし、そこに自分の知っている単語がいくつか出てきたら、文脈から書いてる内容や意味は推測できますよね。

会話もそれと全く同じだと思うのです。自分にとって聞き馴染みのない言葉や、理解が難しい言い回しばかりを使われると、話が入ってこないですよね。難しい本を読んでいる時のように拒絶してしまうわけです。

だけど、そこにその相手が普段から使い慣れていて、意味も用途も完全に理解している口癖を入れてあげることによって、それがクッションのような働きをし、解釈を助け、その会話や文章を全体的に理解しやすいものにしてくれるわけです。

仮に専門的な用語がたくさん出てきても、自分にとって馴染みのある単語が多ければ、用語の意味を知らなくても、何となく何が言いたいのかは伝わりますよね。

そして話が分かりやすかったり、通じやすい人には、親しみを感じますよね。それが打ち解けるきっかけを作ってくれるのです。

 

さらに、口癖を使う事にはもう一つ利点があります。

自分と同じ言葉、同じ表現を使う人としての親近感を感じて、友好的な態度を持つことになるのです。

電車の中で全く知らない人が、同じスニーカーを履いていたり、趣味が似ている雰囲気を持っていたら、親近感がわきますよね。一瞬話しかけようかなと思いますよね。いや、僕は思うタイプなんです。

 

多くの都市国家ポリスに分かれて争っていた古代ギリシアでは、基本的に隣のポリスはライバル関係にありました。しかし、同時に同胞意識もあったのです。

それは、バルバロイと呼ばれる言葉が通じない異民族の人々の間にいても、ギリシア語を知っているヘレネスであると言う自覚から生まれたものです。

ヘレネスは、古代のギリシャ人たちが、自分の民族の総称として用いた名称で、彼らはヘレネスである事に誇りを持っていたのです。 ギリシアと言うのは、ローマ人による呼び方なのです。で、それに対立するのか、バルバロイ。

 

この同胞意識は現代にもあります。

眠らない街TOKYO。

見渡す限り敵だらけのこの大都会で出会う関西弁。

不必要なまでの同胞意識を抱く事は、地方出身の人であれば、誰もが分かると思います。

その同胞意識の芽生えを、会話で、言葉でやるのです。

 

僕たちが気の合う人を好きになるのは、自分と似た考えや価値観を持つ人を認める事で、翻って自分自身の態度の正しさを証明する事になるからです。

口癖使う事は、相手に親しみやすさを感じさせて、同胞意識を芽生えさせる、最強の人心掌握術です。

僕のお気に入りの戦法です。

ちなみに僕は、知り合いに「100歩譲って」が口癖の人がいるので、その人には100歩譲りまくってます。

ぜひお試しください。


参考文献・関連書籍

1.人を動かす

デール・カーネギーの不朽の名作『人を動かす』。もう何十回も通読している僕の『墓場まで持っていく本リスト』のうちの1冊です。

ほぼ全ページがドッグイア(角を折るやつ)状態。

誰にでも付き纏う人間関係の問題を、いかにしてマイルドに解決させるか。あなたが抱える悩みにも、必ず解決のいとぐちが掴めます。

断言します。必読書です。

2.なぜ、占い師は信用されるのか? 「コールドリーディング」のすべて

コールドリーディングを使うと、相手に「この人は私のことをわかってくれている」と思わせる事ができる。その結果、”信頼関係”を築く事ができるのです。

如何にして信頼を勝ち取り、相手の心を開かせるか。いわゆるコールドリーディングについて書かれた本。

デールカーネギーの『人を動かす』よりもさらに黒い人心掌握という感じで、読みものとしても非常に面白いです。