自分の持っているスキルでイノベーションを生み出すには、どうすれば良いですか?

イノベーションを生み出したければ、自分のスキルや強みに『全く知らないもの』を掛け合わせてみてください。

掛け合わせは、差別化を図る上でとても有効的な手段です。そして、大抵の人が掛け合わせをする際、『自分の得意な要素どうし』を掛け合わせようとします。まぁ当たり前です。掛け算は大きなものどおしを掛け合わせる事で真価を発揮しますから。

ですが、実はそのやり方では常識的な範囲に収まるアイディアしか生まれないのです。

たとえば、あなたが『デザイン』の知識とスキルを持っているとします。そしてファッションが大好きです。であれば、自分の『デザイン』と言うスキルに『ファッション』を掛け合わせた『ファッションデザイナー』と言う選択肢が思い浮かぶはずですよね。

ではその次は何をしますか?

たぶん、ファッションの勉強を始めますよね。テキスタイルデザイナー、染織家、パタンナーなど、衣服に関わるあらゆる仕事の情報を集めようとするはずです。

ここに問題があるのです。

中途半端に知識を増やすと、奇抜なアイディアが生まれづらくなるのです。なぜなら、知識があるゆえに『技術的に不可能』とか『コストがかかりすぎる』と言った制約や制限を、検討できてしまうからです。しかもそれは、ほぼ無意識に近い感覚で行われ、プロフェッショナルになればなるほど、検討する間もなく脳が却下してしまいます。

もちろん、中途半端ではなく、それだけで一流と呼べるほどの知識とスキルを身につけた場合は別ですが、なかなか現実的ではないですよね。

では、『ファッションについて全く何も知らない状態』で掛け合わせてみるとどうなるか。

様々な制約や制限を考慮できるほどの知識がないので、技術面やコストなどのセオリーに縛られることなく、「こんな服があったらいいな」「こんなデザイン面白いんじゃない?」と言う自由な発想が出来るわけです。

そして、それをプロに投げるのです。プロのテキスタイルデザイナー、染織家、パタンナーなどに委ねるのです。

デザインもアイデアも両方めちゃくちゃだったら話になりませんが、どちらか一方に確かな説得力があれば、その道のプロが、どうにか成立するように組み立ててくれます。

そしてそれはきっと、その人たちの頭からは生まれない作品になるはずです。

 

何か専門的な知識やスキルを持っているのであれば、掛け合わせるものをあえて勉強しないのも、一つの有効な手段なのです。中途半端に知識を入れるだけでは、単に制約と制限を作ってしまうだけになりかねないのです。理論と言うのは、過去の偉人たちが築き上げてきた「こうすれば良いよ」の集大成ですが、裏を返せば「してはいけない」ことを体系立てたものでもあるわけです。

 

作曲とかでもそうなんです。突き詰めて一流の領域まで行けばブレイクスルーしますが、中途半端に理論を勉強しただけだと「このコード進行はおかしい」とか「この音の積み方は禁止されている」みたいな考えに縛られて、結果的に『うまくまとまった作品』にしかならないんです。

なので、音楽理論を全く知らない人が持ってきたアイデアなんかは、面白かったりします。それこそセオリー無視で、めちゃくちゃで、とてもそのままでは形にはならないんですけど、それが新しい。そして、その中から一点でも光るものがあれば、何とか世に出したいと考えるのがプロなのです。

無知がゆえの自由な発想を、プロに委ねる。

ぜひお試しください。